浜松市中区の消化器内科・肝臓内科・呼吸器内科・循環器内科

肝臓内科

主な肝臓内科の病気

肝臓内科では肝臓病専門医が診察を行っており、専門医の立場から診療を実践してまいります。
近年増加傾向にある脂肪肝に関連した慢性肝疾患などの診断・治療も行います。
当院は、静岡県肝疾患掛かり付け医として地域肝疾患連携拠点病院と連携を取りながら診療しております。また、B型肝炎・C型肝炎の助成制度や自己免疫性肝疾患の難病助成制度を利用して治療ができる医療機関です。

B型慢性肝炎・ C型慢性肝炎

B型慢性肝炎の症状

B型慢性肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染が持続することによって起こる慢性肝炎です。HBVは血液感染および性交渉などにより感染しますが、持続感染者は生後早期に感染したケースがほとんどです。
一般に肝炎の症状としては食欲低下や悪心(おしん)などの消化器症状、倦怠感(けんたいかん)、黄疸(おうだん)が主なものですが、急性肝炎と異なり、慢性肝炎では徐々に肝臓が破壊されていくため自覚症状が出ないことがほとんどです。

ただし、持続感染者の中には肝炎が急速に進行し劇症化(げきしょうか)することがあり、このような場合には自覚症状が出現しますので注意が必要です。
症状が進行し、重度の肝硬変になると腹水が貯留して腹部膨満感が出たり、黄疸が認められたりすることがあります。また、血液中のアンモニアが高値になると肝性脳症(かんせいのうしょう)という意識障害が出現します。

C型慢性肝炎の症状

C型肝炎ウイルス(HCV)に感染し、肝機能の異常が持続的に続く病気です。C型慢性肝炎は自覚症状がほとんどないのが特徴で、HCVに感染後に急性肝炎を発症してもほとんど症状が現れず無治療だと約7割でウイルスは排除されず持続感染に移行します。この状態になると自然治癒するのは極めてまれで、大部分の人が慢性肝炎になります。 通常、6カ月以上にわたって肝炎が続く場合を慢性肝炎といいます。

しかし症状が進行し肝硬変になると、B型肝炎同様、手掌紅斑(しゅしょうこうはん)、クモ状血管腫、女性化乳房などが認められることがあり、非代償期(ひだいしょうき)(肝硬変)には、浮腫(ふしゅ)、腹水(ふくすい)、黄疸(おうだん)、食道・胃静脈瘤(じょうみゃくりゅう)、肝性脳症(かんせいのうしょう)(意識障害)などの合併症が現れることがあります。

治療方法

C型肝炎の最新治療では、インターフェロンを使用しないインターフェロンフリー療法(経口薬剤を使用した治療)を適正に行うことで、ほとんどの患者様が完治を見込めるようになりました。 また、B型肝炎に対する抗ウイルス剤(核酸アナログ製剤)によってウイルスを検出感度以下まで抑えることが可能になっています。
このようにC型慢性肝炎・B型慢性肝炎共に過去と比較して怖い病気ではなくなってきています。当院でも、最新治療法を取りいれ、副作用への対応も考慮しながら治療を行っております。

B型肝炎、C型肝炎の治療に先立ち、まず血液検査・腹部超音波検査を行います。
肝臓の状態を正確に把握して最適な治療方法を決定し、患者様にできるだけ分かりやすく丁寧に説明することを心がけています。
また、厚生労働省や都道府県では、B型肝炎、C型肝炎に対する医療費助成もございます。当院でも助成制度を利用し治療が行えますので、B型肝炎、C型肝炎の治療は当院にご相談ください。

自己免疫性肝疾患

自己免疫性肝炎の症状

病気の発症や進行に自己免疫、つまり患者様自身の免疫反応が深く関与して発症する慢性的な肝炎です。 自己免疫性肝炎の発病は一般的には緩やかであり、症状も軽微なことが多いとされていますが、治療を行わないと肝硬変に進行することがあります。
ステロイド薬や免疫調整薬で免疫を抑えることにより進行を止めることが可能な場合が多いので、病気の早期診断・早期治療が大切です。
また、自己免疫性肝炎の患者様は、免疫を抑える治療を急に中止してしまうと肝炎が再発してしまうことがあるので注意が必要です。

原発性胆汁性胆管炎(原発性胆汁性肝硬変)

原発性胆汁性胆管炎(または原発性胆汁性肝硬変)は、中年の女性に発生することが多いのが特徴的な病気です。 肝臓には肝細胞でつくられた胆汁が排泄される管、すなわち胆管系がありますが、原発性胆汁性胆管炎はその胆管系の中で肝臓内の小葉間胆管から隔壁胆管にかけての部位が自己免疫の機序(メカニズム)によって徐々に破壊される病気です。 肝臓内の胆管が破壊され、胆汁の流れが悪くなると慢性的に肝臓内に胆汁が滞り、慢性非化膿性破壊性胆管炎という慢性的な胆管炎が起こります。そして最終的には、肝硬変へと進行してしまいます。

治療方法

自己免疫性肝炎の場合、軽症であればウルソデオキシコール酸で改善しますが、中等症以上であればステロイドやアザチオプリンにより免疫を抑える治療を行います。
原発性胆汁性胆管炎(原発性胆汁性肝硬変)の場合、基本的にはウルソデオキシコール酸で治療します。

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)

脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が30%以上蓄積した状態を指し、炭水化物や糖質の取りすぎが原因といわれています。 現在、日本人の3人に1人が脂肪肝と報告されており、肝硬変や肝臓がん、生活習慣病(脂質異常症、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞)のリスクが高くなります。
通常、体内に取り入れられた脂肪は肝臓の中で身体が利用できるエネルギー源として変化し、全身に送り出されます。 しかし、カロリーオーバーの食生活で内臓脂肪が溜まると、そこから常に大量の脂肪が肝臓へと供給されることになってしまいます。すると、余った脂肪が肝細胞の中に溜まってしまいます。これが、「脂肪肝」です。

肝臓が溜まり続ける脂肪を燃やそうとする過程で、脂肪の不完全燃焼が原因で有害な活性酸素が発生し、肝臓の細胞を攻撃し炎症を引き起こします。 この炎症が慢性的に続く状態を「NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)」といいます。 慢性的な肝臓への攻撃が何年も続くと、肝細胞変異を起こし非アルコール性脂肪肝炎(NASH)へ移行し肝硬変に行き着きます。

治療方法

NAFLDの治療方法は基本的には減量や食事・運動療法となりますが、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった基礎疾患がある場合は、並行して治療を行う必要があります。

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と単純性脂肪肝(NAFL)

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と単純性脂肪肝(NAFL)は別物ではなく、比較的軽度なNAFLが進行することで、NASHに移行することが明らかとなっています。
最初はただの脂肪肝でも、生活習慣などが乱れたままの状態を続けると非アルコール性脂肪肝炎(NASH)へと進行し、最終的に肝硬変・肝臓がんに進行してしまうことがあるのです。

アルコール性肝障害

アルコールの過剰摂取で最初に生じるのはアルコール性脂肪肝です。それでもなお大量飲酒を続けると、約2割の人にアルコール性肝障害が起こります。 アルコール性肝障害のなかには、肝性脳症(かんせいのうしょう)、肺炎、急性腎不全(きゅうせいじんふぜん)、消化管出血などの合併症やエンドトキシン血症などを伴い、1カ月以内に死亡する重症型アルコール性肝炎と呼ばれる病態があります。

重症化しない場合でも、長期に大量飲酒を続けるとアルコール性肝線維症(かんせんいしょう)を経て、アルコール性肝硬変になることがあります。
同じ量の長期大量飲酒をしたとき、男性よりも女性のほうに早く肝障害が現れるため、女性は注意が必要です。また、ウイルス性肝炎を合併している場合にはすみやかに肝硬変に進行し、肝細胞がんを合併しやすいので注意が必要です。

治療方法

禁酒(節酒)が唯一・かつ極めて重要な治療です。また、現在の肝臓が持っている余力(肝予備能)や肝臓がどれくらい硬く変化しているか(線維化進展度)の把握がとても重要になります。線維化進展例は肝臓がんが出来てしまうリスクが高く、厳重な経過観察が必要です。

薬剤性肝障害

薬物に副作用を生じる人は特定の薬物に対する感受性が高いのですが、最初に使用する前に副作用が生じることを予測することは困難です。 これに対し、中毒性肝障害では薬物そのものがそもそも肝臓にとって有害であり、一定量より薬物が多ければ必ず肝障害をきたすものです。
軽症の場合は自覚症状がないですが、重症化すると全身の倦怠感(けんたいかん)や吐き気、嘔吐、黄疸(おうだん)などを来し、肝不全(かんふぜん)から死亡に至る場合もあります。

治療方法

サプリメントも含め、どんな薬でも肝障害を引き起こす危険性があります。まれには劇症化して死亡することもありますので、むやみな薬の服用は慎むべきです。
まずは原因となる薬を見つけ出し、そして疑われる薬剤を中止する事が大原則です。

急性肝炎

急性肝炎とは、主に肝炎ウイルスに感染することが原因で急性の肝機能障害を起こす病気です。 主に黄疸の他、食欲不振・嘔気/嘔吐・全身倦怠感・発熱といった風邪のような症状がみられます。
急性肝炎は一般的には経過が良好ですが、まれに劇症化する場合があり、その場合死に至る可能性が高くなるため肝臓移植が必要となることがあります。

治療方法

通常入院加療が必要となります。
黄疸がある・あるいは急性肝炎であることが分かり次第速やかに連携する肝疾患拠点病院へ紹介させて頂きます。

急性肝炎の種類

海産物等の摂食によるA型急性肝炎、性交渉が原因になることが多いB型急性肝炎、イノシシ・鹿・豚などの生肉摂食によるE型急性肝炎、EBウイルスやサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルスなどその他のウイルス性肝炎、薬剤性の急性肝障害、自己免疫性肝炎急性増悪などが突然発症することがあります。

肝炎ウイルス検査

フィブリノゲン製剤投与などによる肝炎ウィルス(B型・C型)の感染不安がある方は、できるだけ早急に検査を受け治療をする事をおすすめします。当院でも肝炎ウイルス検査を行っておりますので、心当たりがある方は是非ご相談ください。

  • 過去の肝炎ウイルス検査を受けたことがない方で希望する場合のみ
  • 対象者:満20歳以上で(感染不安のある)市内在住の方
  • 検査内容:血液検査によるB型・C型肝炎の検査

肝臓疾患の検査

肝フィブロスキャン

肝臓の硬さを測る事で肝硬変がどれくらい進んでいるかを調べる事ができる検査です。 生活習慣病としての非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)や糖尿病に特化した診療は肝臓専門医でも非常に難易度が高く、患者様一人ひとりの肝臓の状況を把握するのに肝臓の硬さ(線維化進展度)を知ることが必須となります。
肝臓の硬さを数値として測定できる超音波検査は「肝フィブロスキャン」と呼ばれており、肝疾患診療の中で重要な検査の一つです。

肝臓の硬さを知ることで肝硬変から肝臓がんへ移行するリスクを算定することが可能になるため、大病予防に役立ちます。
また、肝臓の脂肪量も測ることができるため、非アルコール性肝炎(NASH)の早期発見や生活習慣病の予防ができます。 当院で採用している腹部・血管・表在・心臓の検査として使われる超音波検査機器にはフィブロスキャンの機能が内蔵されており、普段の診療の中で定期的に評価する事が可能となっています。

ご来院情報

内科、消化器・肝臓内科、呼吸器内科、循環器内科
〒432-8021 静岡県浜松市中区佐鳴台2-32-15
053-448-2115
第2駐車場有り
8:30~12:00(受付終了11:30)
14:00~15:30(検査:主に大腸カメラ)
15:30~18:00(受付終了17:30)

【休診日】 木曜午後、土曜午後、日曜、祝日

当院第2駐車場のご案内

駐車場MAP
  1. アクセスする順序
    当院向かって右から50m先に進んでください。
  2. アクセスする順序
    最初のT字路を右折し、30m先に進んでください。
    右手に当院第2駐車場がございます。